TAKANASHI Laboratory / タカナシ研究所

健之新先生とミルクローズちゃんのお話
健之新先生と
ミルクローズちゃんのお話

ミルクローズちゃん

お花の国の女の子。
好奇心旺盛で疑問に思ったことはなんでも質問します。

健之新先生

ミルクローズちゃんの近所に住む研究者のもの知りなお兄ちゃん。主に乳酸菌を研究している。

セッポ・サルミネン先生

LGG®乳酸菌(ラクトバチルスGG株、 Lactobacillus rhamnosus GG)の研究で数多くの実績があるツルク大学のセッポ・サルミネン先生がフィンランドから19年10月に来日されました。LGG®乳酸菌を中心にプロバイオティクスの最新の研究について伺いましたので、一部をご紹介します。

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セッポ・サルミネン先生が来日!!健之新先生がインタビュー

国際的にご活躍されているセッポ先生は、さまざまな世界のプロバイオティクス研究の情報をお持ちかと思います。まず、LGG®乳酸菌を中心に最近のプロバイオティクス研究のトレンドをお聞かせいただけますか?
「LGG®乳酸菌」を使用した最近の研究の中で、小児性急性胃腸炎への効果についての研究がありました。ただ、結果は効果がないという否定的な内容でした。今までLGG®乳酸菌は、肯定的なエビデンスが多くありましたので、「本当に効かないのか?」とヨーロッパで有名なポーランドの小児科医がメタ解析を行いました。
顕微鏡メタ解析は、最近注目されている解析方法と聞いています。一定の水準を満たした複数の臨床研究を統合し解析すること、より規模の大きな解析をすることで、客観的に多数の研究結果を評価し、検出力を高めることが可能であると認識しています。
メタ解析を行うと、LGG®乳酸菌は小児性急性胃腸炎の治療に効果があるということがわかりました。アトピー性皮膚炎の予防効果の時も、効果があるというが発表された後、否定的な内容が沢山でたことがあります。しかし、そこでもメタ解析を行い、効果があるという結果が出ました。
ここで言いたいことは、一つの研究結果だけではなく、複数の研究を積み重ねてメタ解析を行うことによって本当の評価ができるのでないかということです。ネガティブな評価がでたからといってそれを信じるのではなく、総合的な見方をするという考え方は、最近のトレンドと言えます
メタ解析で総合的な評価することが重要であり、それが最近のトレンドということですね~「LGG®乳酸菌」の研究の中で、新しいメカニズムに関する話はありますか?
虫歯口腔内の健康を保つことで、心臓疾患や疾病予防効果があると言われていますが、プロバイオティクスが口腔内の虫歯や歯槽膿漏による細菌を抑制するという報告があります。キシリトールにLGG®乳酸菌とビフィズス菌のBB12を混ぜたもので、最近いくつかの報告がありました。
大変興味深い話です。詳しく教えていただけますか?
完全な心臓疾患予防とはいかないまでも、口腔内の炎症を抑えることが心臓疾患に影響するということがわかってきています。心臓疾患だけでなく、糖尿病も血液を通して口腔内の環境が影響すると言われていて、その研究にも、LGG®乳酸菌とビフィズス菌のBB12が使用されています。今や研究には、LGG®乳酸菌とビフィズス菌のBB12は必ず使われる乳酸菌として潮流になっています。口腔内のヘルスケアは全身の健康によい影響を与えるということが色々わかってきているのです。
虫歯菌の増殖を抑制するということでしょうか?
虫歯菌の増殖を抑えるというより、虫歯菌の接着を阻害する感じです。虫歯菌自体を除去するものではありません。今後も口腔内の健康については、重視されていくと思います。
口腔内の健康は大切ですね~ 未来に向けては、LGG®乳酸菌を中心にプロバイオティクスはどのような可能性があると考えていらっしゃいますか?
気管支の感染症予防、肥満予防に注目しています。LGG®乳酸菌による免疫向上に期待しています。
我々は、LGG®乳酸菌の働きで「肌の潤いを保つ」という機能性を発表(※1)していますが、これまでにセッポ先生が行った肌の潤いに関する分野の研究がありましたら、お話しを伺いたいのですが…
肌の潤いに関する研究はありません。肌の水分を測定した臨床試験はしてこなかったので、肌の潤いに着目したということは新しい機能性だと思います。
本日は色々お話していただき、ありがとうございます。世界でもっとも研究されているLGG®乳酸菌は、これからも色々な分野で期待できそうですね。
LGG●LGG®はクリスチャンハンセン社の商標です。
※1詳細は下記よりご確認ください
第4話 LGG®乳酸菌(ラクトバチルスGG株、Lactobacillus rhamnosusGG) 肌の潤いを保つ